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こんにちは。
石川県金沢市のまゆみ助産院です。
予定日まであと少しの妊婦さんが来院されました。
妊娠15週から定期的にまゆみ助産院の『妊婦ケア』を受けて下さいましたが今日は妊娠最後のケアです。
途中坐骨神経痛が出たこともありましたが、骨盤ケアですぐに改善。
37週までは完璧。
骨盤のバランスもよく、このまま少しずつ骨盤の中に赤ちゃんがおりてきてくれれば安産間違いなし!のはずが…

「ここのところ、何処を向いても寝心地が悪くて寝苦しくて辛い。
赤ちゃんも、居心地が悪いのか何だかすごく動いて苦しくて…」
臨月に入り予定日が近づいてくると、赤ちゃんも少しずつ骨盤の中に入ろうとよく動きます。
そして、いい塩梅の所まで来るとあまり動かなくなって来るべき陣痛に備えます。
ところがこの妊婦さん、予定日まであと6日なのに超音波画像でも赤ちゃんのお顔が見えてお口をパクパクしています。
このころには、赤ちゃんは顎を引いて後ろ頭を骨盤の中に入れてきて欲しい。
そうすると、普通赤ちゃんのお顔は超音波画像で映らないはずなのです。
この妊婦さんは5年前に赤ちゃんが上手く回らない、いわゆる“回旋異常”と診断され吸引分娩で何とか出産。その後産後の出血が止まらずしばらく分娩室から出られなかったというお産を経験しています。
お腹のバランスを見てみましょう。
骨盤の左右の開きのバランスは悪くないのですが、完全にお腹の軸が妊婦さんの左側に傾いています。
ズボンの正中線を見るとよくわかります。
このまま、陣痛が付くと又回旋異常で吸引分娩となる可能性があります。
つまり、ネジはまっすぐに入れないと最後まで綺麗にネジ穴に納まりませんね。
ネジとネジ穴の相性は大事。
そこで、ネジに当たる赤ちゃんがまっすぐに入れるようネジ穴に当たる妊婦さんを動かします。
1.モゾモゾ体操
ヨガマットなど少し固めの所に寝て、肩からおしりまでが左右対称に床に付いているか確認します。
もし、何処かが浮いているような感じがあればモゾモゾと動いて左右対称になる位置を見つけます。
2.膝倒し
膝を立てて左右に膝を倒します。
左右差がある場合、倒しやすいほうに膝を倒し上半身は膝と反対側に捻じるのを3回行います。
あと、1回倒しにくかった側に捻じります。
3.体側伸ばし
あぐら座になり手を上に組みどちらかの肘を上に上げて挙げた肘側のわき腹を伸ばします。
ここでも左右差を確認します。
肘の上げやすいほうを上げて息を吐きながら体側をのばしたら一旦腕を真上に戻し、今度は手を後ろ頭に置いて前かがみになります。この時は頭の重みだけで背中を丸め、脊柱の一個一個に隙間を作るイメージです。
これを、肘の上げやすかった方を3回、上げにくかった方を1回行います。
4.上体ひねり
あぐら座のまま腕を頭後ろに組んで腕を開き、左右どちらに捻じりやすいか確認します。
捻じりやすかった方に行けるところまで捻じります。
その時目線も捻じる方向に向けます。
これも、やりやすいほうに3回、やりにくかった方に1回です。
体にねじれや、筋肉の硬さに左右差がない場合これらはどれも左右差がないはずですが、普通利き手や利き足があり、日常生活動作の癖があるので左右差があるものです。
まして、臨月迄くるとお腹の赤ちゃんが重くて重心バランスが崩れやすくなるので左右差が出やすくなります。
1~4までを行い左右のバランスを整えたら
5.スクワット
壁などに肩の高さに両手を付き、足は肩幅に開きます。
そこから、背筋をのばしたまま骨盤を後ろに引き出し、太腿が床と水平になるまでゆっくりと、しゃがみます。
両腕は常に肩の高さです。
これを5回。
すると…
中心軸がきれいに決まり赤ちゃんがまっすぐになりました。
ズボンの正中線の位置が変わりましたね。
お腹もコンパクトになりました。
それまでは赤ちゃんの足がお腹の左側に出てきてたのがまっすぐ上で動くようになり妊婦さんも
「何だか、小さくまとまってくれて楽になったし、ごにょごにょ動いているけど苦しくない」と。
お腹の上に手を当ててみると赤ちゃんが動きながらどんどん骨盤に入っていっている感じがありました。
内診をしてみると、子宮口の開き具合もきちんと正中に位置し2センチほど開いています。赤ちゃんの頭もまだ高いのですが正常に位置していて先程の“回旋異常”になりそうな感じではありません。
このまま、さらに赤ちゃんがまっすぐ骨盤におりてくるとよい陣痛がきて、するりと生まれてくることでしょう。
妊婦さんには、
「陣痛が付くまでに1~5の体操をして体のバランスを整えてね。それをきちんとしていたら2~3日後には“何だか赤ちゃんがはまったな~”ていう感じがして、前駆陣痛がついてくるはず。そして2~3日後には本陣痛が来ると思う。予定日までには生まれるんじゃないかな~」とお伝えしました。
当たるも八卦当たらぬも八卦(笑)。
でも、今まで大体予想通りになっていますね。
あとは、出産の報告待ちです。
このように、安産に導くコツは沢山あります。
一人でも多くの方にお伝えして、ダメージの少ない幸せな出産を体験してもらうのが私の助産師としての願いです。
ご安産をお祈り申し上げます。

今日もご訪問ありがとうございました。